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年金プロダクト需給調査2020

カテゴリ:オルイン

種別:一部公開

引き続き低流動性資産へのニーズが高く、それに対応する形で運用会社からのプロダクト群が市場を形成していることが確認できました。昨今注目されるESGも市場が動き始めており、一層の盛り上がりを見せているようです。また先の金融危機以来、ミニクラッシュも含めていくつもの市場変動を体験したことにより、今般のコロナショックをも乗り越える強靭化されたポートフォリオを構築している様子もうかがえる調査結果となりました。

 

調査概要

[実施主体]オル・イン

[実施時期]2020 年 5月~ 6 月

[調査対象]企業年金基金、企業における年金関連部門

[調査方法]メールにて調査フォームを案内

[回収方法]Webフォーム

[回答数]136件

 

トピック

1.2018年の前回調査を振り返ってみると、年金の問題意識はいつか訪れる景気サイクル転換への対応に向かっていた。当時からすでにインカム収入が不足していた年金のニーズは、それを補うことのできる各種の債券系資産や低流動性資産などのプロダクトであった。そして運用サイドもそれに対応して、さまざまなプロダクトを提供するようになっていた。

2.比較的好調な相場環境にも助けられて、ここ数年は堅調なリターンを積み上げてきた国内年金であったが、そんな中で発生したコロナショックは世界の株式市場にかつてないほど短期間での暴落をもたらし、市場関係者に多大なる衝撃を与えた。国内年金にあってもその影響を免れることはできなかったが、株式の比率を着実に落としてきたトレンドの中では、マイナスはあれどもその幅は極端に大きなものではなかった様子が、2020年度の調査で浮かび上がった。

3.年金サイドでは、債券クラスやインカム系プロダクトの扱いが多様化し、ESG投資や低流動性資産のデット系商品など幅広い資産クラスで採用済・検討中が増えている。それに対応して、運用会社サイドも多様な商品をそろえてきているようだ。

4.プロダクトを検討する際の重視ポイントの上位は「予定利率に見合うリターン・リスク」「ダウンサイドリスクへの耐性」「パフォーマンスの安定性」「安定したインカム収益」などで変わらないが、コロナ禍の影響を加味してかダウンサイドリスクを懸念する姿勢はより強まっている。実際に入れ替えを行ったプロダクトを問う調査結果からは、安定インカムや伝統資産との分散を目的として採用・増額するケースの多いことが明らかになった。

5.先の金融危機以来、ミニクラッシュも含めていくつもの市場変動を体験したことにより、今般のコロナショックをも乗り越える強靭化されたポートフォリオを構築している様子もうかがえる調査結果となった。

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